第一章
非常に小さな経済圏においてもマネーシステムが存在していた
村の近くに住むある家族は莫大な財産を持っていた。それは村のだれもが認めていたが、だれ一人として、その財産を実際に見たり、触ったりしたことがなかった。当の家族でさえそうだった。この財産とは、巨大なフェイだった。その大きさは伝承で伝えられているだけだ。二 ~三世代前からずっと、このフェイは海の底に沈んでいたのだ!
フェイが海に消えてしまったのは事故でしかなく、それを言ったところでどうにもならない。海岸から数百フィート( 10キロ前後)沖に沈んでいるからといってフェイの市場価値が損なわれることはない……こうしてその石貨は、あたかも持ち主の家の壁に立てかけられているかのように資産として有効であると認められており、購買力をずっと持ち続けている。財産としてのフェイの価値は、中世の吝嗇家が相場の値下がりでため込んだ金や、ワシントンの財務省に貯蔵されている 1ドル硬貨のようなものかもしれない。目で見たり、手で触れたりすることはないが、それがそこにあるという証書を根拠に取引されている
物々交換から貨幣が生まれたという事例はもちろんのこと、純粋で単純な物々交換経済の事例さえ、どこにも記されていない。手に入れることができるすべての民族誌を見るかぎり、そうしたものはこれまでに一つもない」。ケンブリッジ大学の人類学者であるキャロライン・ハンフリーはこのように結論づけている
マネーとは使用取引をして、通貨による決済をするシステムこそが、マネー
マネーの3つの基本要素
- 価値単位の提供
- 会計システム
- 譲渡性
あらゆる種類の譲渡可能な債務を表すものはすべて「通貨」であり、「通貨」となる素材は、たとえそれがどのようなものであっても、すべて「譲渡可能な債務」を表し、それ以外の何物でもない
友人間の飲み会貸し借りネットワーク
とかもマネーだと考えられる
飲み会をまたいで複数人で相殺されたことが何度もある